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メルカゾールの投与再開
話を元に戻します。
甲状腺機能亢進症の闘病中のトラちゃん。
メルカゾール1.25mgを1日2回投与したところ、副作用によって食欲不振になってしまいましたが、スペシフィックの強制給餌が軌道に乗って、なんとか断食状態を脱することができました。
また、薬を止めたためか、心なしかトラちゃんのだるそうな様子が改善されたように見えました。
ですが、甲状腺機能亢進症の治療のためにはメルカゾールを再開しなくてはなりません。
再度副作用が出るのを避けるため、メルカゾールの投与量を調整することにしました。
投与量の調整
メルカゾール錠の添付文書の薬物動態欄によると、メルカゾールの血中濃度は投与すぐに上昇・最大になり24時間後にはほぼ消失しています。
人間への投与量に関しては、
チアマゾールとして、通常成人に対しては初期量1日30mgを3~4回に分割経口投与する。症状が重症のときは、1日40~60mgを使用する。機能亢進症状がほぼ消失したなら、1~4週間毎に漸減し、維持量1日5~10mgを1~2回に分割経口投与する。
メルカゾール錠の添付文書
との記載があり、症状が落ち着いた人間の場合、投与頻度は1日1回まで減らせるようです。
ということは、メルカゾールの血中濃度が常に高い状態でなくとも、甲状腺機能亢進症の症状を抑えられると考えられているということです。
また、猫用メルカゾールであるチロブロックの添付文書に、
本剤の初期投与量は,チアマゾールとして 1.25 mg/頭/回~2.5 mg/頭/回とし,1日1回又は2回経口投与する
チロブロック錠の添付文書
と記載されていたことから、チロブロック1.25 mgの1日1回投与はOKだということがわかりました。
これらの情報から、メルカゾール錠を猫へ投与する量として、1.25 mgの1日1回投与は効果が見込まれる量・頻度だと考えられました。
ということで、ここから1週間程度の間は、メルカゾール1.25 mgを1日1回の投与で継続しました。
(トラちゃんの調子が良かったため、1日だけ、メルカゾール1.25 mgを1日2回投与にトライした日がありましたが、次の日はまた1回投与に戻しました)
実はこの1週間後に新情報を入手。
さらに投与量を調整することになるのですが、それはまた後程・・・。
メルカゾール投与中止した時と同様、今回の投与量の調整も我が家で勝手に決めて行った気がします。
家から遠い動物病院だったこと、トラちゃんの食欲不振が本当にひどく、一刻を争う事態だったことから仕方がなかったのですが、本来ならば獣医師と相談した上で決められたら良かったと思います。
もちろん、獣医師にはきちんと報告して理解を得ていました。
点滴のための病院通い
メルカゾールの副作用の食欲不振の影響で、トラちゃんは脱水症状も出てしまいました。
点滴を受けることになり、5日間ほどは毎日片道1時間の病院通いをすることになってしまいました・・・・。
ある日、トラちゃんの主治医がお留守の日に、いつもと違う先生に点滴していただくことになりました。
その先生が、「甲状腺機能亢進症の治療法は薬物療法だけでない」ことを教えてくださったのです。
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