症状
食べているのに痩せる
トラちゃんが甲状腺機能亢進症と診断される10か月ほど前に「あれ?少し痩せたかな?」と感じました。
すぐに太ってはダイエットさせられる同居ネコのクロちゃんに比べ、トラちゃんはこれまであまり体重の変動がなかったため、少し変な気がしました。
ですが、当時13歳と、本格的に高齢猫になってきたタイミングだったため、他には特に問題なく元気そうに過ごしていたため、「年のせいかな」と考えていました。
本格的に「最近なんかおかしいぞ」と考え始めたのは診断の2か月ほど前。
こんな症状でした。
痩せが進んでいる
吐く回数が増えた
とはいえ、ごはんは良く食べているし、これまで通りに活発で元気そうに見える・・・。
それにクロちゃんに比べると、昔からよく吐くコだったため、「年のせいで胃腸が弱くなってきているのかもしれない」と考えました。
また、「猫といえば腎臓病!」という心配をしていたため、まずは腎臓病を疑ったのですが、どうも症状が腎臓病と違うように思える・・・。
しかも、トラちゃん達はかなり前から腎臓ケアフードを食べており、また、動物病院に行った際は腎機能のチェックをしてもらっていました。
そして、これまでに腎機能に異常が見つかったことはありません。
この頃は、腎臓病と毛玉の心配をしていたんだよね
にしても痩せが止まらないのは心配・・・。
トラちゃんは外出が大嫌いなため、ストレスを与えすぎないためにも必要以上に獣医さんに連れていくのは避けていたのですが、とうとう近所の獣医さんに診てもらうことにしました。
症状をお伝えし、血液検査など一通りの検査をしてもらいました。
ですが、獣医師によると「特に異常なし」。
「なにか大変な病気を持っているわけではなさそうでよかったし、今回も腎機能は正常だった」と胸をなでおろしましたが、「じゃあ原因はなんなんだろう」とモヤモヤした気持ちは残りました。
とりあえず、引き続き様子を見ることに・・・。
食べては吐いて、また痩せる
ですが、その後も痩せは止まらず、吐く頻度も増してしまい、診断の1か月前ごろには、こんな風になっていました。
さらに痩せが進んでいる(背中・お尻のあたりの肉が明らかに減った)
さらに吐く回数が増えた(沢山食べた後は高確率で吐く)
背中の毛並みがこれまでと違う(一部逆立っているように見えることがある)
同居犬に飛びかかる
特に、日常的に吐くようになってしまったのが、心配でした。
吐いちゃうから痩せが進んでしまっているのだろうと考え、なるべく吐かせないように一度に与えるご飯の量を調節しても、すぐに吐いちゃう・・・。
相変わらずお腹が空くようで、ごはんは良く食べるのですが、痩せていく一方でした。
インターネットで「猫 吐く 原因」と検索すると、「毛玉や消化器系の病気の可能性がある」などと出てきたため、可能性を検証し、対策を講じたりしておりました(ブラッシングの頻度を上げる、お腹をマッサージする、糞の様子を気に掛けるなど)。
そんな時、親戚夫婦が赤ちゃんを連れてやってきました。
トラちゃんは、うるさいものやいつもと違うことがあまり好きではありません。
赤ちゃんが帰った後、トラちゃんの背中の毛が妙な立ち方をしていることに気が付きました。
なぜか背中の毛が束になって逆立っていたんだよね
赤ちゃんストレスで毛が逆立っているのだろうと考えましたが、その後、毛並みはどんどんボサボサになってきて、妙に思っていました。
そんな中、トラちゃんが同居犬(中型犬)に飛びかかっているところを、母が目撃したのです。
トラちゃんは、若いころから活発(好戦的?)な性格で、たまに同居犬に嫌がらせ(通せんぼ、寝床を奪うなど)もしていました。
ですが、飛びかかるまではしなかったので、母から話を聞いて驚いておりました。
なぜか暴力的に・・!?
診断
T4値が基準値を大幅超え
その後も痩せが止まらないし、抱っこした時の感じが骨ばっていて明らかに軽くなっていました。
危機感を感じ、今度はもっと大きい別の動物病院に連れていきました。
大きい動物病院には車で1時間程度かかるから、車が嫌いなトラちゃんは連れ行きにくい・・・
血液検査の結果、T4値が基準値より高くなっており、「甲状腺機能亢進症」と診断されました。
この時のトラちゃんのT4値は「14.5μg/dl」。
検査結果の一覧によると、T4値の基準値は「0.8-4.7μg/dl」。
基準値の上限の3倍程度ものT4が検出されたということは、相当高い数値ということになります。
メルカゾールという錠剤を処方され、1日2回飲むことになりました。
また、定期的にT4値を検査し、状態を確認していく必要があるとのことでした。
あらためて一軒目の動物病院で検査した時(10か月前)のT4値を確認すると、「4.8μg/dl」でした。
実はこの時点で基準値飛をび出してた・・。
ガイドラインにも、「甲状腺機能亢進症の典型的な症例は、8歳以上で活動的、食欲旺盛、体重減少を示す(※)」という記載がありますし、トラちゃんの症状はそのまま当てはまります。
※猫の甲状腺機能亢進症ガイドラインの要約_1と猫の甲状腺機能亢進症ガイドラインの要約_2には上記の一文は含まれていません。
甲状腺機能亢進症についてよく知っている獣医師だったら気づけたのだと思います。
私たちも、獣医師の説明に満足せず、自分たちでもっと調べたら甲状腺機能亢進症の情報に行きつけたはずです。
残念ですが、時すでに遅し。
この時できることをするしかありませんでした。
今考えると、最初行った病院は猫より犬が得意な獣医師さんだったんですよね。
看板は犬マークだし・・・。
次の話 >> 甲状腺機能亢進症の治療開始
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